ハタチになってから間もない真っ青に晴れ渡った夏の日、トロピカルビーチに MONOEYES のアコースティックライブを見に行った。

たしか Mexican Stand Off Tour という意味のわからない名前のついた対バンツアーの番外編としてツアー中に急遽発表され、急いでチケットを取ったんだった。

 

個性豊かな人混みに埋もれ、オリオンビールを急角度で流し込みながら濃青の空を放浪する入道雲を見上げると、その自然美に見惚れた。

 

会場に佇んでいたトディーといっしょに写真を撮ってもらってテンション爆上がり。

スコットも見かけたが、相変わらずの気まぐれさを持ってスタスタと歩き去って行った。

桜坂セントラルでのライブの時、スコットは開場間際にダッシュ国際通りから帰って来ていたっけ。

 

海沿いの小さな特設ステージで、史上最もグダグダなライブが開演した。

すでにベロンベロンに酔っぱらって似合いもしないハットを被った細美さんは終始笑顔で、なんで会話したこともない人たちにそうやって振る舞えるんだろう、と思った。

強いんだろうな。

 

出会う全ての人に対して優しい顔をつくれたら、たとえ微少であれど生き易くなるんであろうか、と平日正午から白波ロックをすすりながら思い耽っては気を悪くする。

しかし1ヶ月も経つと、いやいやフェイクの表情なんかつくってクソみたいな関係性の中に入っていくよりかは生きにくい方がよっぽどいいのだ、とベランダで雲の流れを見つめながら黒霧ロックを舌に染み込ませる、といったサイクルを繰り返すこと∞回。

もっと経験が欲しいんだ。

 

「My Instant Song」「3,2,1,GO」「Get Up」の歌詞に心臓を強く締め付けられ、細美武士の強さを間近に見て泣きそうになった。

まだ日が沈んでいなかったから泣かなかった。

 

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