寝苦しい夜は星に向かって叫べ

暑い。暑いのです。夜が。

夜ってこんなに湿度高かったんだっけ。

夜と休日にしか着ないどうでもいいTシャツを破いてベランダから放り投げたくなるような不快さ。吸い込みにくい大気越しに煌々と見つめてくるアンタレスに向かって喚き散らしたくなるような不快さ。

喉がダメージを受けやすいからエアコンはタイマーで2、3時間までしかつけられない。強の扇風機に頼ってはみるものの、こいつは湿度までをもコントロールできない。

こんな夜に気分が上がる唯一のことといえば、窓際に置いてあるアグラオネマと食卓の上に置いてあるベゴニアが高湿度のおかげでイキイキとしていること。アグラオネマは夏になって脇芽がグングンと伸びてきて、もうすぐそこから1枚目の葉っぱが開きそう。かわいい。ベゴニアは根茎がどんどん伸びてきて、新芽が数多。かわいい。

気分が上がったところで、不快な夏の夜に隠れている楽しみをもうひとつぐらい見つけたい。

現実が悪いように感じられるのは、現実を捉える五感の角度が少しズレているから。

ただそれだけ。

 

湿度が高いことと関係しているのか分からないけれど、今年の部屋にはイエグモが多い。さっきも呑気に急須の茶漉しの上を闊歩するなどしていた。クモは眼が八つあるから嫌いなんだけど、イエグモはサイズがかわいいから目を合わさなければギリギリセーフ。いくら数が増えても全然ウェルカム。なんなら、今朝床掃除をしている時に見つけた紙魚の幼虫も、イエグモのご飯になるかなーと思って放っておいた。けど、増えるにしても限度は守ってほしい。

今は動物と一緒に暮らすことはできないから、いっぱいの植物と限度を厳守した数の益虫がいる部屋になったらいいと思う。

無機物ばかりの空間が嫌いなんだよ、ほんとうに。