夜明け

まだ着こなし方のよくわからないスーツを身にまとって働いていると

後ろから誰かが無邪気な高い声で笑いながら左の肩をトントンと叩いてきた。

すぐに後ろを振り返ってみたけれど誰もいない。

すると今度は右の肩をトントンと叩かれた。

またすぐに後ろを振り返ってみたけれど誰もいない。

まったく...

と半分笑いながら呆れた表情をしていると

突然何者からか首根っこを掴まれて天井近くまでグッと引っ張り上げられ

それから重力に従うすべもなく床に叩きつけられた。