Entries from 2019-01-01 to 1 year

ここ1ヶ月ぐらいは下から足を引っ張られ、上から手を引き上げられ、その力が平均するとちょうど同じぐらいでなんとか真ん中と呼べる位置にとどまっていたような、そんな感じだった。 下の方にいるのは、これから否が応でも組み立てていかなくてはいけない全…

小さい頃から高校生ぐらいまで花粉蓄膿で年中鼻水かみまくりみたいな生活だったんだけどその代わりお腹はめっぽう強くてちょっと腐りかけた物飲み込んじゃったり地面に落ちたものを拾い上げて口に入れたりしても腸は余裕綽々でびくともしなかった。日本から…

少ないけど、尊敬している人が何人かいる。 会ったことがある人も、ない人も、もう死んでるのに一方的に慕ってる人も。 物書きだったら太宰、写真家だったら任航、バンドマンだったら細美武士や小山田壮平、あとは親戚かなあ。そんくらい。 彼らに共通してい…

27102018

街灯を滅多に見かけない、相手を選ばずに一切を飲み込んでしまいそうな闇に取り憑かれた夜道を、hと指を荒く絡ませ合い、肩を幾度もぶつかり合わせながら千鳥足でゆらゆらと歩く。方向感覚や距離感を掴めなくなってしまった脳はとても重い。こんな時にしか子…

金剛石

雨季で観光客が少ないせいか、この日は広いゲストハウスに泊まっているのは俺一人だった。 月がいちばん輝く時間帯を見計らい、自然とつながるべく、独り建物の屋上へと向かった。 辺りには、瞼を閉じても入り込んでくる強すぎる街灯の光は皆無で、暗闇にし…

未完成

雨季。コルカタ。 長いトランジットを乗り越えてたどり着いた空港にある唯一のATMの画面に映し出された"out of service"の文字。手抜き工事がもたらしたスコール後の洪水。いたるところに吐き出された赤い唾液。地面に這いつくばって金属の小銭入れをカンカ…

diamond

外界との境界線は消え去った。 空気となって大気中を飛び回り 水となってガンジス川を流れた。 自然と一体化し、完璧なまでに調和のとれた世界にいた。 甲高いヤモリの声が部屋に響き渡れば、その鳴き声となり、 嘲笑うかのような鳥の鳴き声が半崩壊のレンガ…

瞼の裏側

幾度も経験を積み重ねるごとに、驚きや感嘆の表情は表に現れないようになり、水晶はどす黒い小石へと変化し、地平線に沈みゆく太陽を映し出す鏡のような瞳には次第に影が差してくる。 いつの間にか取り払われていた幼心をもう一度奪い返したい、とは誰しも思…

車と音楽

台風が近い中、飛行機に乗って大好きなバンド、尊敬する人を観に行った。 まだ梅雨前だというのに、すっかり梅雨を通り越したような空に覆われていた。 会場から数百メートル離れた駐車場にレンタカーを停め、豪雨のように降りしきる太陽光をかいくぐりなが…

nostalgia!!!!!

今にも押し潰されてしまいそうなお店に足繁く通うのが、好きだ。 ジャンルは問わない。 CD屋だって、飲み屋だって、ラーメン屋だって。本屋だってそうだ。 明日、道路拡張の通達が来てすぐにでも立ち退きを迫られるかもしれない。 カネが尽きて店主が飛んで…

内向的薄暮

薄く汗をかいた肌にまとわりつく湿気が不快で目が開く。 陽はまだ上る気配はない。 隣の友達の純白でしなやかな腕は、重力で俺の頚動脈を薄弱に圧迫する。 手荒くそれを払いのけ、再び瞼を閉じる。 目覚めはいつでも太陽とともにある方がいいに決まっている…

苟且

美しすぎて涙がこぼれそうなほどの青空と乾いた空気を打ち鳴らす蝉の声を感じ、あゝ夏到来。 ちょっぴりと塩分の混じった風に吹き付けられながら運転する。胃の中と脳みその中がぐるぐるごちゃごちゃと回転している。これはギリギリ飲酒運転かも... 晴れ渡っ…

K

また沈み込んでいる。 波形の最底辺にいる。 近頃はかなり安定していてきたと思っていた。 上がり過ぎれば、その分代償がでかい。 鼓動が疼きだし、何時間も何時間も底から這い上がれない。 無意識に太宰の方向へと手が伸び、、嗚咽。 吉田棒一氏のHORSESを…

ダウン

昨日は観光地の奥深くで、久しぶりの人や初めましての人とたくさん楽しいお話ができてとってもとっても楽しかったな。 久しぶりにディープな音楽の話をしたり、公園で猫を撫でたりして、鳥が鳴き始めるまで喋り続けた。 やっぱり知らない世界に導いてくれる…

無題

ゴールデンウィークの真っ只中、母親から突然親戚の訃報を受け取り、故郷へと大急ぎで飛んで帰った。全くもって想定などしていなかった事実に対する焦りと悲哀とが、幾何学模様のように頭の中を規則的に駆けずり回っていた。受け取った文面をじっと見つめ、…

深く潜る

ウイスキーに手を出したきっかけというのは、ただ業務用スーパーで格好の良いグランダッドのラベルに惹かれただけなのか、スラッシュがジャックダニエルを愛しているのを幼心に模倣してみただけなのかは定かではないが、たぶんそのどちらかであろう。それか…

トリップ

埃で霞んだ窓の外が激しい銀世界であったとしても、悪臭つきまとい汚濁した河川の辺りに突っ立っていたとしても、ごくありふれた無欲なアスファルトの上をトコトコと駅に向かって歩いていたとしても、外界の変化には全くもって無関心な世界が無意識の中に存…

昭和生まれ

10年や20年、早く生まれることができていたら、と無理な空想を思い描くことが度々ある。 クラッシュのComplete ControlのMVを再生して一気に酔いが回った時。 エルレのSupernovaの疾走感に衝撃を受け、虹を聴いて自分の内側を深く見つめ返した時。 普段は音…

40's のように

今日は湿度が跳ね上がっていて、何をするにも不快感が伴う日だった。 特にどこかに出かけるわけでもなく、今にも喚きだしそうな灰色の雲をちらちらと眺めながら小さな用事をいくつかこなした。 日が落ちた。 湿気を含んで冷たくなったベッドに横になりながら…

ホイアンナイト

僕らは完全に酔っていた。薄いアルコールによってか、真夜中特有の蒸し暑さによってか、あるいは他の何かによってかは、記憶が確かでないから思い出すことはできない。1泊5ドルくらいのゲストハウスの前に腰を下ろして、人生の足しになることのない話をして…

MFGD!

生きていた! 沈んでなんかいやしなかった! ピントが自分の内側に綺麗に合わさった。 方角、時間、言葉は押さえつけられた。 きっと、どうでもいいんだな。 右脳が醒めた。 エネルギーが、黄緑色をしたチャクラの流れが右脳を突き刺し、流れていった。 心臓…

闇雲

掻暮生活リズムの狂ってしまった近日のある丑の刻、次第に暗順応してきた眼球とやわらかな黄光とでもってドストエフスキーの『地下室の手記』を読み進めていた。初めて人の手に渡る本の匂いはどうしても好きになれないが、時間潰しにやむを得ず手に入れたも…

真夜中

なんでだろう、真夜中ベッドに横たわって音楽聴いてたら一生懸命覚えたこの歌詞とか一生懸命練習したギターのリフとかって何十年かしたら俺のものじゃなくなって焼き払われてしまうんだという本当に本当にしょうもない考えが頭の中に充満した。不安で不安で…

乱雑

生き物はいつか命が絶えるってことを認知したのは確か保育園の頃だった。 数多の会話を交わしたはずなのにその断片の記憶しかないけれど、悟ったように優しい目をしたおばあちゃんが息絶えたと聞いた時には、周りの人々の悲しみに囲まれながら独りでぼーっと…

雨の日

サマソニへ行こう。20周年らしい。 Tim Armstrong と対峙しよう。彼のレリックの効いた Gretsch は芸術的だ。 Oliver Sykes と対峙しよう。彼の漆黒の右腕は芸術的だ。 The1975 も実は観てみたかったり... 虚無で満ち満ちたスクロールの中に突如水色の光が飛…

庆祝?

正月の興奮冷めやらぬ福岡、乾燥しきった唇を切り裂く鉄風、厚着の媒介者ども。 本日の空は灰色、感情とシンクロできないイルミ、見慣れた足並み。 これからもいっしょに馬鹿騒ぎするであろう親しい友達や、はたまた必然的にもう一生目線が交わることがなく…

夜明け

まだ着こなし方のよくわからないスーツを身にまとって働いていると 後ろから誰かが無邪気な高い声で笑いながら左の肩をトントンと叩いてきた。 すぐに後ろを振り返ってみたけれど誰もいない。 すると今度は右の肩をトントンと叩かれた。 またすぐに後ろを振…

新世界

ここ1週間ぐらいで目の前に新しい世界が開けてきてとてもウレシイ!! Saul Leiter という写真家の存在を知った。 もうすぐ年が明けようとして、ヒトがせわしなく動き回るデパートの書店で。 初めて会う人に対しては、やけに改まったお辞儀をして、全く中身…