Entries from 2018-01-01 to 1 year

純粋な日々が欲しい

また、飛びたくなってきた。 今年の夏はほぼほぼ写真を撮ってばっかしだったから、次は全部独りで、 無心に行きたい場所に行って、けど寝坊したり面倒だったりで行かない時もあって、散々迷った挙句毎日おんなじもの食って、刺々しい太陽に殺られながらカフ…

異国の高層で妄想

スコール後の蒸されるような空気にまとわりつかれながら、ぴしゃぴしゃと目的もなく彷徨う。 豪雨で湿ったアスファルトに反射するネオンの光が実に幻想的だ。 都会が魅せる、唯一の美貌。 それにツンとしたボロ屋台の激臭が交わると、郷土に帰ったような安堵…

Red n White

ニッポンと兄弟の国の北の果て 淑やかなベールを身にまとった美しい女性たち 美しい瞳の奥に佇む気高さと慈愛 あなたのサリーは何色?? 常識なんかをぶち破る蒸し暑さ 身体中がビールを渇望している テナガザルが目の前を激しく横断 彼らとともに消え去りた…

精神良好

目が覚めた。珍しく朝食をたくさん食べた。 冬服を物色しに行った。南に居ても意外と凍える。 気に入ったものが見つけられなかった。結局ネットに頼る。 RAMONES を独り搔き鳴らした。調子が悪い日もある。 エールで喉を洗い流した。今日のは物腰が柔らかい…

夜明け

実家の玄関で、柴犬のレックスにご飯をあげている 彼の目の前にしゃがみ込み、ひたむきに舌を動かす表情を眺めている。 両親は腰に手を回し、こちらに柔らかな視線を送っている レックスが食べ終えると、俺は「あとで散歩に行こうね」と言った。 するとレッ…

狂人

南の国のお祭りに行った。 この日の雲は足取りが重そうで悲しみを引きずっていた。 お祭りに行くといつも、心底感極まった表情でマイクに噛み付き、爆音を鳴らす狂った旅人たちの姿に酔潰れる。 俺たちも狂人。 ある者たちは激しくぶつかり合って踊り狂い、…

Medan City

出国前はいつも、現地の交通事情についてネットで調べてしまう癖がある。 スワンナプームからチェンマイ行きの寝台列車に乗るためには、どの駅でMRTを乗り換えればいい? チェンマイ駅から旧市街に行くためにはどこでソンテウを捕まえればいい? 相場は? UB…

歪んだ世界

嫌になるほど整然とした首都の無音な街並みが歪んで眼に映る中 LUCKY STRIKE を深く吸い込みながら 隅田川沿いのゲストハウスに向かってとぼとぼと なんとか真っ直ぐに歩いていた。 首都ではカネで買われたような安い女が虚栄を張っていた。 隣には頭がから…

ノーフィルター

なぜ、見ず知らずの他人に引き連れられ、意味もなく群れ、全てを知ったような間抜けな顔をして、行動できるのだろうか。 おしゃべりな女性が持つ赤い旗に盲目的に引き寄せられつつ、大仏を見る。 水など飲みながら、やっぱりいいね、と一言。 何たる滑稽さ。…

ハタチになってから間もない真っ青に晴れ渡った夏の日、トロピカルビーチに MONOEYES のアコースティックライブを見に行った。 たしか Mexican Stand Off Tour という意味のわからない名前のついた対バンツアーの番外編としてツアー中に急遽発表され、急いで…

普通の感性

亜熱帯の蒸し暑さと真上から照りつける太陽に襲われ、外出したくないとせがむ身体に無理を言って高雄市立博物館に足を運んだ。 道中、リードに繋がれた柴犬が窮屈なのに楽しそうに俺の足許を走り抜けて行った。 百道みたいな街並みだった。 中規模で落ち着い…

あのクズどもから世界を奪い返す

ところどころネオンが切れたボロい桜坂セントラルに The BIrthday のライブに行ったのをなぜだか思い出した。風の強い日だったような気がする。 そうだ、ライブハウスで泡盛がカップに注ぎ込まれる光景を見て、なんと素晴らしいハコなんだと思ったのがここだ…

アクシデント

車で事故ったことが、2回ある。 といっても俺が運転していたわけではないのだが。 1度目は、地元のスタジオアリスの目の前で母が原付にポンとぶつけた。 七五三の写真を受け取りに行っていたはずだから、おそらく5歳の頃だろう。 水色のMOCOの助手席にブカブ…

尊敬すべきならず者

「人間失格」「斜陽」「ヴィヨンの妻」といった巷では代表作などと頭の固い評価をつけられた太宰文学は読破したので、「晩年」「きりぎりす」のような作品を手に取ってみた。 この尊敬すべきならず者の書いた文章を読むと、大概心が沈んでしまって生への執着…

逃避先にて

スマトラ島の都市、メダンに行ってきた。 また逃避だ。 しかし絵の具をぜんぶ混ぜて作り上げたような混沌とした世界に身を投げると、皆と同じ方向に顔を向けてしまっている遣る瀬無さから解放された気分になって笑みがこぼれる。 まだ勝手がわからず彷徨う俺…