少ないけど、尊敬している人が何人かいる。

会ったことがある人も、ない人も、もう死んでるのに一方的に慕ってる人も。

物書きだったら太宰、写真家だったら任航、バンドマンだったら細美武士小山田壮平、あとは親戚かなあ。そんくらい。

彼らに共通しているのは調子が悪くて底に沈んでしまった時にいつでも全身を任せられるほどの優しさや強さ、あるいは他の何かを持っているっていうことで、もうちょっとこっちに来たら、っていう風に上から手を引いてくれる人もいれば、底の底まで降りてきて寄り添ってくれる人もいて、、、みんな強いなあ。

彼らが旅の最中に安いドミトリーで寝ていたり、ライブ後に限界まで酔いつぶれていたりするのを聞くと、なんだか益々尊敬が募っていく。

任航なんかは、初めて彼の作品を目で捉えた時からついこの前まで、何度作品を見返しても、頭の中に作品を飾っておいても、なぜか感想が言葉として浮かんでこなかった。今持っている感想も、心の奥底にしまってある真っ黒なモヤモヤの具現化だな、というしょうもないものだけど、こうして普段は隠れてしまって、或いは自分で隠そうとしてしまって見えていないものを表面まで浮かび上がらせてくれたり、自分はまだ知らない部分の自分、或いは自分が知ろうとせずに目を背けている部分の自分の姿を示したりしてくれる人はとても貴重だな、と思った。

いつ死んじゃうか分からないけど、それまでにこんな人たちにもっともっと囲まれたらいいなあと思いながら、今日も芸術を頭から浴びまくる。