なぜ、見ず知らずの他人に引き連れられ、意味もなく群れ、全てを知ったような間抜けな顔をして、行動できるのだろうか。
おしゃべりな女性が持つ赤い旗に盲目的に引き寄せられつつ、大仏を見る。
水など飲みながら、やっぱりいいね、と一言。
何たる滑稽さ。
丸暗記したような文章をまくしたてる女性を追いかけつつ、絵画を見る。
手を後ろに回し、我が物顔で闊歩する。
与えられたもの以外には、目もくれない。
そんな中、その集団から若い女性が控えめに飛び出してきて、自分が気に入った絵を勝手に眺めだした。
そのままでいい。